こんにちは、帰国子女のまゆうです!
近年注目が集まっている「国際バカロレア」について知っていますか?この記事では、国際バカロレアとは何か、IB Diploma(ディプロマ)とIB Certificate(サーティフィケイト)の違い、TOK・Extended Essay・CASについて、そして、国際バカロレアのディプロマを取得した私のオンライン家庭教師の説明について書いてます!
国際バカロレアってなに?

そもそも国際バカロレア(IB)とは何かを知らない方も多いと思います。
日本ではまだまだ馴染みが薄いプログラムですが、海外ではとても人気の教育プログラムなんです。
国際バカロレア(IB)とは、世界中の大学への大学入学資格になります。
例えば、日本だとセンター試験、アメリカだとSAT、オーストラリアだとHSCなど、国によって大学受験は異なります。
そこで、教育の国境をなくすべく、全世界共通の大学入試資格を設けようとスイス・ジュネーブで1968年に発足したのが国際バカロレア(IB)です。
国際バカロレアを取得することで、カナダでもアメリカでもヨーロッパでも日本でも、どこの大学にも志願することができます。
日本でも59校でIBが受けられるようになっており、現在文部科学省はIB認定校を200校に増やそうとしている近年注目が集まっているプログラムなんです!
ディプロマってなに?

国際バカロレア(IB)は年齢に合わせてプログラムがPYP, MYP, DPと3段階に分かれています。
PYP
PYPは初等教育にあたり、対象は3〜12歳。
小学校から中学校のカリキュラムで、6科目学びます。
MYP
MYPは中等教育にあたり、対象は11歳から16歳です。
中学校のから高校のカリキュラムで、8科目学びます。
DP(ディプロマ)
最後に、ディプロマは高等学校の最後の2年間に6科目と3つの要件を学び、終了試験に合格するとディプロマの資格を得ることができます。このディプロマが、大学入学資格となります。
PYPとMYPはDPに備えた教育プログラムです。
PYPとMYPのプログラムを受けていなくても、DPを受けることは可能になります。
そして、3つの中でDPのみが、大学入学資格として認められます。
一般的にIBと言うとDPと認識して良いのですが、実はPYPやMYPもIBに含まれているんです。
IBDP(IBディプロマ)で学ぶことは?
IBDPは高校の最後の2年間、つまり高校2年生と3年生で6科目と3つの要件を学ぶ教育プログラムです。
6科目って何を学ぶの?
6科目はカテゴリーに分かれており、各カテゴリーの中から好きなものを選ぶことができます。
6科目のカテゴリーとは、(私が取った科目)
- 母国語 (Japanese 日本語)
- 外国語 (English 英語)
- 数学 (Mathematics 数学)
- 科学(Physics 物理)
- 人文科学 (Economics 経済学)
- 自由選択(Psychology 心理学)
1から4番目のカテゴリーは日本の高校教育と似たところがありますが、特徴的なのは5番目と6番目のカテゴリーです。
5番目のカテゴリーは人文科学で、経済学、歴史、地理学、心理学などを取ることができます。
日本の高校では経済学や心理学はなかなか学べませんよね。日本の友人に高校で経済学と心理学を学んだというと驚かれます。
6個目のカテゴリーは比較的選択の自由が効き、音楽や演劇などのアーティスティックな科目を取ったり、人文科学、科学、言語をもう一つ取ることができるなど自由が多いです!
詳しくは、こちらの科目選択のアドバイスについての記事をご覧ください!

3つの要件ってなに?

IBDPでは他の多くの試験とは異なり、ただ勉強ができるだけではなく、バランスの取れた人物像の育成を目指しています。
IBが掲げる10の人物像の中には、「コミュニケーションができる人」「バランスの取れた人」「挑戦する人」などがあります。
このような人材育成のため、IBDPでは6科目の勉強の他に、3つの要件を課しています。
それは、TOK, Extended Essay, CASです。
それぞれを詳しく説明していきます!
TOKとは何か?
TOKとは、Theory of Knowledgeの略です。直訳すると「知の理論」になります。
TOKはIBオリジナルの科目のため、説明が非常に難しく、IB生が苦しめられる大きな要素になっています。
私は今でもTOKと聞くとテンションがやや下がってしまうほどトラウマを抱えています笑
簡単に説明すると、
「私たちが知識として受け取っているものは本当に正しいのか」
「どうしたら正しい知識を学べるのか」
「そもそも私たちはどうやって知識を得ているのか」
などを学んでいきます。
私たちは今まで、当たり前のように学校で与えられる知識を疑うことなく受け入れてきました。学校で習うことは正しいということが前提だったと思います。
ですが、IBが理想とする人物は、受動的に知識を蓄積する機械のような人ではなく、正しい知識と誤った知識を正確に見分け、正しい知識を積極的に吸収する人物のようです。
そして、それを叶えるために、TOKをIB生全員に課してるようです。
TOKはIBの1年目は週2回授業が行われ、IB2年目では週1回に減ります。
宿題は基本的にはなく、2年目にエッセーとプレゼンテーションを作成する必要があります。
詳しく知りたい方はこちらの記事にまとめてありますのでご覧ください!

Extended Essayとは何か?
IBが課す2つ目の要件はExtended Essayです。
名前の通り、「発展した(Extended)」エッセーなので、なんと4000ワード程度のエッセーを作成する必要があります。
4000字ではなく4000ワードです。
何十個もの参考文献を使いながら、20ページにも渡るエッセーを書き上げます。。
テーマは自分が選択している6科目のいずれかに関連することならば自由に決めることができます。
私は選択した心理学(Psychology)から、「拒食症と心的要因はどれほど関係性があるのか」について研究しました。
遺伝的なもの、心的なもの、様々な要因が考えられる病気の発達に興味があったので、このテーマにしました。
まずテーマを決めるのがとても大変ですし、調べる時間も書く時間も半端じゃないです。
何日費やしても方向性が定まらなかった時には発狂しそうになっていました笑
CASとは何か?
最後にCASですが、TOKとExtended Essayのように負担が大きくなく、片手間にできるものなので安心してください!笑
CASはCreativity, Activity, Serviceの略になります。
IBの掲げる10の人物像の育成のため、勉強ばかりせず課外活動にもバランスよく取り組みましょう!というものです。
Creativity
Creativityはクリエイティブで何かを作る活動ならなんでもokです。
私は学校の吹奏楽に所属し、トランペットを演奏をしていました。また、友達の韓国人から韓国語を学んでいました。チェスクラブにも時々参加していました。
私の友達はYouTubeを始め、動画撮影や動画編集を行っていました。結構なんでもありです。
Activity
Activityは運動系の活動です!
私は週に1回家族でテニスを習っていました。
Service
最後のServiceはボランティア活動です。
私は韓国人やドイツ人の日本好きな友達に日本語を教えていました。また、1度だけですが、友達を集めて学校の近くの池の周りのゴミ拾いを行いました。
IBの評価方法
IBを詳しく理解できたところで、IBの評価方法について説明します!
IBDPは45点満点です。
6科目は7段階評価で、全ての教科で最高評価の7点を取得すると、6 x 7 = 42点になります。
残りの3点は、3要件のTOKとExtended Essayによる加点です。
CASは評価対象にはならず、CASをやることで加点はされません。ただ、CASをやらないとIBディプロマ自体が取得できないので、やらないという選択肢はありません。
TOKとExtended EssayはA, B, C, D, Eと5段階評価になっています。
こちらの表にあるのように、どちらでもAを取ったら3点、BとCだったら1点。。などと計算されます。

出典:IB 2015
ちなみに私は45点満点中42点を獲得しました。
オックスフォード大学に行けるくらいの点数でした!がんばりました!
IBの大変さ
他の記事でも語っているのですが、IBは本当に大変です。
私は今もう一度IBをやれって言われたらできないと思います。
IBは勉強量が多すぎて、いくつかの海外の大学では、取得すると大学1年生の授業が免除になり大学2年へと飛び級できるなど、資格を持っていると大学で優遇されることもあるほどです。
裏を返すとIBは大学レベルの勉強をも含まれるということになります。とにかくレベルが高くて大変なんです。
他の試験と比べてIBがどれほど大変かは、こちらの記事で詳しく書いておりますので興味がある方はご覧ください!

IB Certificateとは?
最後に、IBには、IBDPとは別にIB Certificateがあります。
IBの莫大な勉強量をこなす自信がない方、国際的な大学入学資格が不必要な方は、IB Certificateを取るという選択もできます。
IB Certificateでは、TOK, Extended Essay, CASの3要件に取り組む必要がなく、6科目も自由に選ぶことができます。
こちらは、IBDPよりも負担が軽いコースとなっている代わりに、国際的な大学入学資格としては認められません。
オンライン家庭教師について
私まゆうは現在オンライン家庭教師をしており、生徒を募集しています!
すでに6人の生徒さんが応募してくださり、毎週スカイプにて授業をしています。
国際バカロレアの指導も行っているので、興味がある方はこちらの記事をご覧ください!

最後に
この記事を読むことで、IBDPがどのようなプログラムなのか理解が深まったならとても嬉しいです!
Twitterで質問箱もやっているので、IBを取るか迷われている方、大学受験や帰国子女の質問がある方などぜひ覗いてみてください!